凱旋じゃないのよ。
伝説なのよ。
海堂尊の小説・・・というか何というか。
ファンブック的な本で、
ジェネラル速水の伝説を小説にしたものです。
デパート火災の物語。
短編なので、その他にも事務長視点で描かれた凱旋や、
佐藤ちゃんのその後なんかもあります。
それから、一番興味深かったのが海堂氏本人の物語。
私はずっと海堂さんの位置づけがわからなくて、
作家さんなのかお医者さんなのかどっちなんだろう?
と思っていた。
でもこの本を読むと海堂さんのあり方みたいなのが見えてきて、
初めて海堂作品を「もっと読みたい」と思った。
今まではどちらかと言うと話題の本だったので読んでいた傾向が強い。
ワールドが展開されているし、
パラレルとリアルと混同しないように気をつけて読んでいたのだが、
あぁ、混同した方が社会的には良いのかもしれない。
と思うようになった。
医療分野は全くもってちんぷんかんぷんな場所に居る私だけど、
興味を持つきっかけとしては充分なんじゃないだろうか。
伝説に書かれている内容はほとんどが賛同出来るものばかりだったのだけれど、一つだけ主張したい。
一読者から言わせて貰うとするなら、
「どの作品から読んでも楽しめる」
と言うし、
「順番を既読者が定義すべきじゃない」
と言うが、
私はやっぱり一番最初はバチスタをオススメするし、
順番通り、ナイチンゲールとジェネラルの後にイノセントゲリラを読んだ方が楽しいと思うんだよな。
発信する立場である作者の想いは色々あるだろうが、
受信する立場である読者の想いだってあるんだよって言いたかっただけなんだけど。。。。
余談ですが先日献血に行った際、
担当して下さった看護婦さんも海堂作品のファンだそうで。
「医療用語と漢字の羅列が多くて素人の私には理解するのがしんどいです」
と言った所、
「バチスタとかは噛み砕いてますけど、
ブラックペアンとかは私も絶望的でしたよ」
と苦笑してました。
私が手にしていた本を見て話を振ってきてくれた看護婦さん。
何となくそういうきっかけって嬉しかったりするのです。
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