昨日、娘と「僕だけがいない街」を観た。
この「僕だけがいない街」は2016年に上映された映画で、
三部けいの大ヒットコミックスが原作になっている。
映画がロードショーされていた当時の事はよく知らないけれど、
キャストを見ても、藤原竜也、有村架純、石田ゆり子など知名度の高い人を起用しており、
話題性は充分あったように思う。
(3年前の作品だけあって、鈴木梨央ちゃんがとても幼かった!! カワイイ☆ )
娘は「時空を超えた本格的ミステリー」と言う煽り文句が気になったようだ。
極端に怖がりのクセに、娘は「ミステリー」が好きなんだそうだ。
おばけや怖い話と言った類には寄り付きもしないけれど、
殺人事件には寄っていく・笑。
我が家は私が気になる映画がテレビでやっている時に録画しておき、
時間が出来た時にその録り貯めたリストの中から娘が観たいと思うものを選んで観ると言う事をしているのだが、
「ミステリー」
と言う帯を見た瞬間、
他の候補になど目もくれず、
「これがいい! 」
と指差したのだった。
前半は面白かった。
私は生憎と原作は読んでいないのだが、
設定その他は頭に入りやすく、
わかりやすかった。
特にカメラワークがユニークで面白いなと感じた。
娘の頭の中にもスッと馴染んだようだ。
特に疑問を口に出すこともなく物語の中に入り込んでいった。
我が家の場合、画面を見ながらめいめいに思う事を口に出していく。
人物の印象や物語の背景、気になる描写など、思い思いに口に出していく。
まぁ、
ミステリーの場合は専ら誰が犯人かと言う事に絞られていくが、
前半は色んな複線を拾う事に必死になる。
「あれ、これなんかおかしくない? 」
「ねぇ、この人の言ってる事ってちょっとアレじゃない? 」
お互いの意見を確認する為に、
時々は一時停止や真紀戻しをしたりなんかもして検証したりもする。
私はこの時間が結構楽しい。
後半は、ややしりつぼみになってしまった印象を受けた。
「時空を超える」のだから、
場面展開がかちゃかちゃするのは致し方がないとしても、
不必要な部分が強調されているような印象を受けたり、
大切な場面が描写されていなかったり。
盛大に張られた伏線はあっけなく暴露されてしまうし、
1つ1つは単純過ぎて絡み合っていない。
もうひとひねりあれば思わず唸る出来になるのに・・・・、
と思うととても勿体無い。
物語全体として、
それで???
と思ってしまう。
後一歩が足りない印象。
人間でいうなら、少し厚みのない感じがした。
一番しっくりこなかったのはラストの部分で、
「え、この展開必要あった? 」
と思ってしまった。
後で調べた所、
この展開は映画オリジナルの展開だったらしい。
取ってつけたような印象を受けたが、
本当に取ってつけていたのか。
前半が深く、よく編まれたものだっただけに、
後半が少し残念な物語だった。
ところが、
娘に言うと、
「そう? これはこれでおもしろかったよ」
と返してきた。
娘はいつでもあるがままを受け入れる。
作品を評したり勝手に断罪したりしない。
その人の本来そのままを受け入れる。
それもまた、1つの意見だ。
前述したが、私はこのやり取りが好きだ。
それぞれがどんな感想を持って、どんな事を思って、何を考えたか。
結果的に面白かったとしても物足りなかったとしても。
そういう感情を持つ事こそが作品鑑賞の醍醐味だと思う。
そして、そうやって積み重ねた娘との時間は、
我が家では家族の思い出の1つとして積み重なっていく。
秋の夜長にソファでもたれあいながら、
1つのブランケットを取り合いながら、
あーでもないこーでもないと他愛無く喋る時間。
お菓子とジュースをありったけ食べながら過ごす娘との時間。
楽しかったな。
私は素直にそう思った。
あと何作こうやって一緒に観てくれるだろうか。
1作でも多くこうやって共有できる事を、
私は密かに望んでいる。
にほんブログ村
[6回]
PR