「わたしを離さないで」を観ている。
↑これね。
2016年にTBSが放映したドラマだ。
原作はカズオイシグロ。
日本の小説家だと思っていたら、英国のベストセラー作家なんだとか。
↑原作で読みたい方はこっち。
実は2016年の放映当時もこのドラマを観ており、ショッキングな内容だったので私の心に深く刻み込まれていた。
私はよくドラマを観るけれど、他愛ないものやライトなものは表面をなぞるだけで通り過ぎていく。
数年立てば観た事さえ忘れてしまったり、内容が思い出せなくなったりする。
けれど、これは違った。
深く深く心に刻み込まれた。
その後の4年間。
ふとドラマを思い出すきっかけになったのは、
「進撃の巨人」
かな。
そして、「似てるな」と思ったのは、
「約束のネバーランド」。
どちらも人間をどうにかする(またはされる)と言う類いのものだ。
「わたしを離さないで」は、ある意味で人間を人間と人間に準じたものとして分けた世界の物語なのだけど、姿形がそっくりで全く遜色劣らない2人の人間が、「そう」か「そうじゃないか」で全く別次元に存在するという物語だった。
2016年に観た時は、私の中に全く発想がなかったこの世界の考え方とそのリアリティに衝撃を受け過ぎて細部まで理解することが出来なかったのだけど、時が経って、また2度目ということで少しだけ深く理解が出来たような気もしなくもない。
例えばどうして恭子には通知が未だ来ないのか。
これはやっぱり介護人としての適性とか、或いは幼少期の絵の評価とかが関係してくるのかな、とか。
まなみの達観した感じは、突き詰めていくとやはりそういう事になっちゃうよね、とか。
凄く気になる点としては、この物語、一切の希望がない。
打ちのめされ、打ちのめされ、打ちのめされて終わっていく。
物語として、これでいいのか?
と若干思ってしまう。
まぁ、だからこそより現実的でリアリティに迫っている気もするけれど、このドラマを「好きだ」と言ってしまっていいのだろうかというのはちょっと気になる。
私はそんな物語にも関わらず2回目も「観よう」と思う位だから、きっと好きなんだろうと思うんだ。
これを好きだと言ったら人格が疑われそうで少し怖い笑。
自分擁護にこのドラマをどうして何回も観たくなるのかというと、やはり役者のクオリティの高さが群を抜いているからだと思う。
ベストセラー作家原作ということだけあり、舞台設定や物語は凄く良く作られている。
私は良く練り込まれた長編小説が大好きなので、ハリボテのようなサクサク書いた適当な薄い小説のようなインスタント感がないのがとても好ましく思えた。
その舞台設定の上で素晴らしいくらいに実力のある役者が動いてくれる。
幼少期の恭子役を演じていた鈴木梨央ちゃんは言わずもがな天才子役の一人だし、ここで凄いのは鈴木梨央ちゃんの独壇場にならない演技派揃いの子役が物語を紡いでくれるのだ。
美和役の
瑞城さくらちゃんも子供らしい意地悪さや女の子同士の小競り合いを物凄く上手に演じてくれている。
それでいてどこか憎めない感じまで出せるのってホント天才だな? としか言いようがない。
鈴木梨央ちゃんも瑞城さくらちゃんもホント可愛いんだ!
勿論他の子も一切この世界観を壊すことなく雰囲気を作ってくれている。
これホントいつ観ても素晴らし過ぎて鳥肌が立つ。
そんで次に何が凄いって、大人へのバトンタッチの面影の残し方が素晴らし過ぎた!
ドラマなんだから別人なんすよ。
そんなん当たり前なんですけど、どの子も幼少期の面影がガッツリ残ってるの!
まず見た目がそっくり!
たまちゃんやまなみ、ホントそのまま子役の子を大人にしたんじゃないの? って位凄い似てる。
で、肝心の恭子や美和はヒロインなので似ている子を持ってくるわけにもいかないじゃないですか。
起用は綾瀬はるか、水川あさみ、とかきっと決まってるはず。
が!
それでもめっちゃ面影が残ってるんだよね。
鈴木梨央ちゃんが綾瀬はるかになったんだけど、鈴木梨央ちゃんがの仕草とか演技の癖とかを綾瀬はるかはバッチリ再現してるの!
特に恭子の走り方!
鈴木梨央ちゃんが演じた恭子の走り方にそっっっくりだった!
美和役の瑞城さくらちゃんもちゃんと水川あさみへ面影残したバトンタッチが出来ているし、ホント何度見てもそこは素晴らしさにうち震えます(゜ロ゜)
それでもって、個々の役者の演技力が凄いんですよ。
特に美和の最後とか、恭子の間の取り方とか、観ていて鳥肌が立つくらいに上手いも
「私を離さないで! 」
なんて台詞、どんな場面でどんな調子で言ったら寒くならないと思いますか?
まず私には無理!
素だとしても違和感半端なくて恥ずかしさに悶死します笑。
そんな台詞を全くの違和感なく、増して心を揺さぶる演技で持って発してくれる。
マジ天才だわと思わずにはいられませんでした。
そんな演技力にも見所が満載で、そんで物語もよく作り込まれていて独特の世界観あって、哀しいけど深く深い物語。
いつか娘にも見せたいのだけれど、ちょっと中学生にはヘビーかなと思って勧めるのを躊躇っています笑。
代わりに娘とは「重版出来」を観てるよ。
これもまた近いうちに語れたらいいなー。
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